よく考えたら、もう三億円事件は宝くじでもらえる金額の半額くらいになってるんですね
宝くじ当たったら何しましょう。
まず、2億は貯金しましょう
今の生涯年収よりは少ないくらいですが
2億貯金してあれば、最悪一生生きていけるでしょう。
1億は投資ですね。
株とか不動産をいくつか購入したい
1億は家族で分けてもらって
1億くらいで起業して
もう1億を当面の生活費にしましょう
夢が広がりますね。
1等前後賞合わせて6億円。
今は6億ももらえる時代なんですね。
6億って3億円事件の倍ですからね。
もはや事件ですよ。
そういえば、最近3億円事件の話を聞きませんね。
3億円はもはや夢を描くには足りない金額
3億の価値
私がガキの頃（20年前くらい）は、結構3億円事件の特集が組まれていた気がします。
私も、ガキの頃は3億スゲーと思っておりました。
今では想像もつきませんが、小学生のころは1ヶ月を500円で過ごしていたわけですから
3億なんて数字は途方もなかったですね。
その事件が未解決で、いまだによくわかってないというのも好奇心を揺さぶられました。
また、中高生の時分（10年前くらい）は宝くじの当選金額が3億に達したころだった気がします。
いつか3億円を手にしたいという気持ちもありましたが
いつかあんな当たりもしない紙切れのために無駄にお金を使ってみたいと思ったものでした。
当時は、3憶円ベースで将来の夢を描き、
1億貯金、1億使う、1億を投資と家族に分配
くらいの夢の描き方をしていた人も多かったかと思います。
3という数字は、非常に収まりが良く
多くの人に、要約するとほぼ同じものになる夢を与えていたという印象を受けます。
それだけ、3憶円はちょうどよくて
3億円はパッケージ化されていたのですね。
ダイバーシティが生んだ化け物
時は流れて、ダイバーシティが叫ばれる世の中になりました。
右へ倣えの日本人から、みんな違ってみんな良い日本人に変わりつつあります。
そのダイバーシティの世の中にあって、
ダイバーシティ的選択肢を求められるようになったのが宝くじに違いありません。
それまで、3億円でとどまっていた当選金額が
5億6億7億と増えていきました。
最近では、6億がスタンダードな気がしています。
それとともに、日本人が買う「夢」も種類が増えました。
3憶では貯金・自分用・家族用
くらいにしか分かれなかった使い道。
6億に化けたと同時に、感情を押し挟む余地が生まれました。
3億の時は、自分の生活を担保するお金として宝くじを割り当て
そこから生まれた余裕で好きなことをするという夢の描き方がスタンダードだったと思うのですが
6億になると、自分の生活を担保するお金を勘定に入れても十分に手元にお金が残ります。
宝くじの当選金で自分の夢も買えてしまえそうになっているので
宝くじで買える「夢」の種類も非常に広がりを見せる結果となっているのです。
これが、ダイバーシティの生み出した宝くじの変化です。
かつてより宝くじが魅力的になったのは言うまでもないのです。
過剰な現実が過剰だったはずの現実を蹂躙する
しかし、ここで覚えていてほしいのが3億円事件のことです。
今では、かなり語られることも少なくなりました。
時間経過のせいですか？
そうではないと思います。
私が3億円事件を良く聞いていた時期ですら、
3億円事件発生から30年は経っていたわけですから
古い事件であったことには変わりはないのです。
それでは、なぜ今三億円事件が忘れ去られているのか。
日本人が過剰な現実に慣れてしまったからです。
3憶円が過剰だったころの事件は、
宝くじの半額程度しか稼げない事件に成り下がっているのです。
事件の凶悪性は変わらないのにもかかわらずです。
これが現代の3億円事件ですよ！
このようにして、人間は教訓を忘れて
また同じ過ちを繰り返すのです。
よく知られた名前だからと、そのままにするのではなく
そういった名前や定義も変えていく勇気というものも必要なのかもしれません。
だから、私は三億円事件は
「今の貨幣価値に換算して約10億円事件」にして
いつか略されて「10億円事件」になればいいと思っています。
こうやって情報はねじ曲がっていくんですね。
ってな感じで。
