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酒が弱い人のための「一口居酒屋」なんていかがだろう

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お酒は楽しい。

喉も潤えば、気分も高揚する。

種類も味も様々で、とてもおいしい。

こんな最高の嗜好品はない。

 

だが、時として酒は人に牙をむく。

 

好きなようにお酒を飲みたいのに

酒との闘いの歴史:黎明期

酒は強き者をつけあがらせ、

弱き者を震え上がらせる。

前時代的な弱肉強食の世界がいまだに広がっているのが酒の世界だ。

 

生まれ持った才能がものをいう世界。

ただ体内の酵素が優秀だったというその一点だけで、

人はこうも変われるのか。

酒に強き者は、酒を振るい

弱き者は、ただそれに耐えるのみ。

 

酒は、おいしいというイメージの前に恐ろしいというイメージが来るのは

いまだにこの前時代的なアルコールによる暴力というものが確かに存在するからだろう。

 

そう、誰もが経験する酒との闘い。

黎明期は、強者が弱者を一方的に攻撃する時代だ。

 

酒との闘い:中期

酒との付き合い方を知るうちに、弱き者は防御手段を身に着ける。

「コール」だ。

 

コールなどは一見酒を使っての攻撃のように思われがちだが、

紛れもない防御手段だ。

コールを振っているものは、意外と酒に弱かったりするものだ。

酒を飲めないから、自分に火の粉が降りかかる前に

他人を差し出し、防御する。

非常に攻撃型の防御だ。

 

酒で攻撃し、酒で防御する。

ここから、酒との闘いは泥沼化の様相を呈する。

 

酒との闘い:終盤

そして、人は二分される。

 

酒のことが嫌いになり、忌避のムードを漂わせる戦争に疲れた者たちと

それでも酒のことが嫌いになれず、酒が好きな者だけでしっぽりと酒を飲む戦争に疲れた者たちに分かれるのだ。

これが、酒との闘いの終盤であり、冷戦期だ。

 

どうしてお酒は好きに飲めないのか

このような戦争を歴史を多かれ少なかれほぼ万人が通過する。

それによって、酒が好きな者も嫌いな者も酒に疲れ切ってしまうのだ。

 

そうなってくると酒を飲む者たちは、自ら酒へと続く道を険しい道へと変えていってしまう。

好きなタイミングで水を挟んだり、ソフトドリンクを挟むことを疑問視したり

急に女子が頼むような甘い飲み物を頼もうとすると不思議そうな顔をしたりする。

 

なぜ酒は好きに飲んではいけないのか

 

作法でもあろうものならあきらめもつくが、そうではない。

しかし、作法でもあると言っても差し支えないくらいには誰もが同じようなアルゴリズムで酒の注文に不思議な顔を寄せるのだ。

 

それは、やはり戦いを経ているからであると私は思う。

基本的に学生を越えて酒を頻繁に飲む人というのは戦いに勝った側といっても過言ではない。

勝った側には、勝った側の矜持が存在するわけだ。

酒とはこうあるべき、という像が完成されつつある。

 

だから、

「俺の酒が飲めないのか」という言葉が平気で出てくるのだ。

 

酒を好きに飲みたい

そんな私は、酒との戦いに敗れたものだ。

敗残兵だ。

酒にはほとほと疲れ果て、もう一生飲むまいと決めた時期もあった。

酒に弱いのだから仕方のないことだと割り切りつつもなんだか寂しい気持ちでもあった。

 

そんな矢先一人旅に出て、ひそかに晩酌なんてものをやってみた。

誰も見ていない、ひとりだけの酒盛り。

そこには戦いはなく、ただ一つの酒とただ一人の男の対話があるだけだった。

 

おいしかった。

酒中の酒という印象だった焼酎がこんなにもおいしいものだとは思いもしなかった。

 

私は、酒が大好きになった。

しがらみのない酒を飲むのが本当に楽しくなった。

 

戦争のない世界にしたいなんて大きなことは言わないが、

時折戦争のことを忘れられる場所があれば、私はいいなと思うのだ。

 

酒に弱い人のために

そんな私は酒にめっぽう弱い。

酒なんて2杯も飲んだらノックアウトだ。

そんな酒に弱い人の中にも、酒が好きな人がいる。

戦争を経ても、嫌いにならなかった人がいる。

そんな人のために、ごく少量の酒を提供する居酒屋、飲み屋が出来たらいいと思う。

 

酒の「ウィークサイズ」が存在し、

1杯100円ほどでほんの数口だけ飲める酒だけを提供する。

たくさんの種類を気軽に口に運べる。

そんな酒場ができてほしいってわけだ。

 

酒は、酒に強いもののためのものになってほしくない。

酒に弱いもののための社交場というものもあってもいいはずだ。

いつか、そんな飲み屋に出会える日を願って。

 

 

 

 

とはいっても、そんな面倒な商売誰がするんですかね。

提供量が増えれば、店員も増やさなければならないだろうし

客単価も少なそう。

ただ酒の量と価格を工夫すれば、1品あたりの利益はそこそことれそうですけどね。

まあ、そんな飲み屋があったらいいなというお話でした。

 

 

 

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