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現代の郷土料理「給食」は子供の舌をどう教育するのか

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給食といえば、その土地土地の郷土料理が出されることでも有名ですね。

給食で初めて自分たちの土地の料理を知り

その独特の味に慣れて、その土地を好きになる。

 

給食は、立派な食育の場であったと私は実感しています。

 

昔は、毎日食卓に並んであったであろう郷土料理は

特別な日か給食でしかお目にかかれなくなりました。

 

給食は、我々が最も地元の料理に触れることが出来る場所であり

そして、子供たちの舌を地元色に染め上げていく唯一の手段でもあるのです。

 

そんな現代の郷土料理である給食が

どのように子供たちの舌を教育していくのか

考えていきたい。

 

 

給食ファンタジー

私の給食

私の給食といえば、「粕汁」との闘いの歴史と言っても過言ではありません。

私の出身地である兵庫県は酒所であります。

小学生の給食に、酒所独自のメニューでありましょう「粕汁」が提供されておりました。

 

20歳以下の飲酒を禁じているわが国で

酒の絞り粕から作られる汁物が提供される。

いち早く酒の味を覚えさせようという悪魔的な所業であると思っておりますが

これがまた子供の舌に合わない。

 

アルコール分が抜けているとはいえ、

酒独特のツンとくる感じと独特の甘みととろみが加わって

まさに大人の味といった風なものを

小学1年生から食べさせられていたのだから恐ろしい。

 

低学年のころは、まともに食べきるのも困難でありました。

何故大人たちはこのような苦行を強いるのだろうか。

食事というものは、笑顔で楽しく行われるべきものなのではないだろうか。

そんな風に思っていたものです。

 

ところが、小学生も折り返し地点を過ぎ

高学年のお兄さんと呼ばれるようになってくると

不思議と粕汁を待ち望んでいる自分がいることに気づくのです。

あれだけ嫌っていた「粕汁」をおかわりしている自分に気づくのです。

 

長年食べさせられ続けて、クセにならされ

クセの奥にある美味しさ、そしてそのクセ自身を楽しむ心の余裕を給食に教えられたのです。

 

私は粕汁との闘いの中で給食の意味を見出しました。

給食は、子供たちの舌を大人の舌へと作り変えるにとどまらず

大人でも慣れないと美味しさのわからない郷土料理を美味しいと感じるように舌を教育する。

そう、我々を地元民たらしめているのは給食なのではないでしょうか。

 

軽い洗脳

郷土料理はこうでもしないと生き残れないのだろう

昔は、それはもう毎日にでも食べさせられてたのであろうけれど

主婦の料理のレベルが上がって、いろんなメニューを作れるようになったこの世の中にあって

家で粕汁を作る主婦が何人いるだろうか。

 

郷土料理自体も、よそからきた大人は大人の舌だから黙って飲み込めるけれど

諸手を上げておいしいと言えるかといえばそうではなかろう

大人のプライドでおいしいと言ったはいいが、

心の奥底ではポテトチップスにはかなわないと思っているに違いない。

 

そんな郷土料理を、純粋においしいと思える舌になっているのが

郷土の給食を経た子供たちなのだ。

 

私なんかも、この前久しぶりに母に会ったとき

何が食べたいと言われて思わず粕汁を作ってくれと言ってしまったものだ

母の味でもなんでもなかったのに。

 

粕汁を自ら望む人間なんて、給食で粕汁を苦しみながら飲んでいた兵庫県民くらいの物なのではないか。

 

なんなら母は北海道出身だから縁もゆかりもないであろうに

何も言わずに粕汁を作ってくれた。

まあ、石狩鍋とそう変わらないであろうと思いながら頼んだ節はあるが。

 

舌育

まあ、給食はこのように子供たちの舌に大いに貢献しているだろう。

新たな郷土料理といっても過言ではないだろう。

 

兵庫県の小学校ではこのほかに「かみかみビーンズ」などという謎の料理が提供されていた。

後にも先にもこれっきり、ついぞ小学校の給食のメニューでしかお目にかからなかったメニューだ

 

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絶妙においしくなかった覚えはある。

 

だが、そんなよくわからない料理もしっかりと自分の頭の中に残っている

郷土料理だ。

郷土料理なのだ。

 

地域性のある給食というものは、考えれば考えるほど

なんだかおもしろいものだなぁと感じるのだった。

 

 

と、今回は今週のお題「給食」で記事を書いてみた。

 

 

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